重い体を引きずって学校に向かう。


なんか起きた時より怠い。でも、お母さんがいる家には帰りたくない。



そういえば、まだ教科書見つかってないから探さないと。


ゲホッゲホッと時たま咳をしながら、やっとの思いで学校に着いた時にはもう授業が始まっていた。



ガラッ


教室のドアを開けると、先生がこちらをチラッと見たけれどすぐに黒板の方に向き直った。


遅刻なんて日常茶飯事なんだろう。



「チッ、あいつ来たよー」


「逃げなかっただけ偉くなーい?」


「でも、良かったじゃん。来なかったらあれやった意味ないし」


キャハハ、と笑う女達の声が聞こえる。


席に行って、‘‘あれ”ってこれのことか、と冷静に考える自分がいた。



バカ、ブス、消えろなどマジックペンで書かれている机。

古典的な嫌がらせだな。