何も言わない女達の横を通り過ぎようとしたら、
「っ、調子乗んなよ!」
腕を掴まれてグイッと引っ張られると、
_________パンッ
……は?
軽快な音ともに左頬に衝撃が走り、一瞬訳がわからなくなったけど、叩かれた部分がジンジンと熱くなってきてやっと状況を理解する。
「ちょっと樹里君に気に入られてるからってムカつくのよ!」
「そうやっていつも私達のこと見下してんでしょ!」
「LUCEにまで取り入ってふざけんなよ!」
止まることを知らない女達の暴言。
ここまでくるとイラつきを通り越してむしろ呆れを覚える。
「見下してないし、LUCEなんて興味ない」
「嘘つかないでよ!樹里君だけならまだしも岳さんにまで取り入って最悪!」
もしかして岳さんにお礼を言いに行ったのを見ていたことを言ってるんだろうか。
それともその前の買い物の時?
どっちにしろ一緒か。