岳さんと樹里と別れた後、真っ直ぐ家に帰った私はボスンと軽快な音を立てて布団に寝転んだ。
ボーッと天井を見つめる。
あれから樹里はいつも通り接してくれていたけど、樹里のことだからあれが嘘だとわかってる。
このモヤモヤを言葉にすることができなかった。
言葉にするには難しかった。
けど、そんなのはただの言い訳で、私は樹里を拒絶したのには変わらない。
『……行くけど』
やっぱり私は行かなかったのを後悔しているんだろうか。
でも、あの男が公園に来たかなんて確証もない。
ごちゃごちゃと整理のできない気持ちを足りない頭で考える。
……ちょっと待って。
すると、一つの疑問が浮かんだ。
あの男が来た、来てない、なんて関係ないはずなのに。
なんで私はこんなにも悩んでるの。
そもそも私が行くと言ったから、あの男が来るなんて考え、
おかしいでしょ、そんなの。
あんなに最低で最悪な男なのに。
私自身が気づいてないだけで、本当は期待してる?
「〜っ…ありえない」
そう、絶対。
だったら、なんで……。
枕に押しつけた顔を少しだけ横にズラす。