「…ん」


あれ…朝…?



カーテンの隙間から漏れる光に目をこする。



今、何時?



チラッと壁に取り付けてある時計に視線を移すと、短い針が10を指していた。



ああ、なんだまだ夜の10時か。


10時…10時……。



あれ…夜の10時ならなんで外が明るい……



「…あ、学校」



ようやく状況を理解して布団から起き上がる。



ああ、でもサボっても問題ないしな。


学校が学校だし。



そう思って、もう一度布団に潜り込もうとした時。



「……」



白いうさぎが目に入って、ピタッと動きが止まった。



今から学校に行くのは面倒くさい。


でも、この白いうさぎを見ると、改めてお礼言わなきゃいけないと思うけど、今日はもう行く気ないから明日でも大丈夫かな。



「……」



しばらく考えて布団から出る。



なんか、昨日のあの男のこともあってもやもやするし、行こ。



樹里といた方が気が紛れるかもしれないし。