ベッド横に置いていた白いうさぎを手に取る。 「……可愛い」 うさぎの手を軽く振る。 このうさぎを見るだけで嬉しくなって、思わず笑みが浮かぶ。 嫌なことも忘れられそうで。 でも。 「……」 動かしていた手をピタッと止める。 「……嘘ついたけど、いいよね?」 あの男が悪いのに、嘘をついたことへの罪悪感が心の隅にあって。 「……もう寝よ」 今日はもう何も考えたくなくて、うさぎをベッド横に置いて、電気を消して、瞳を閉じた。