「じゃあ、シロ、また明日ね」
公園に止めてくれた車から運転手さんにお礼を言って降りると、窓を開けた樹里がいつもの可愛らしい笑顔を浮かべる。
さっきの真剣な顔とは全然違って、これがギャップというものなのか、と思う。
「ん」
頷いて返事を返す。
「……」
「……」
「……」
「……何?」
なかなか出発しない車と岳と私を交互に見る樹里に耐え切れずに聞く。
すると、岳さんと樹里がコソコソ何かを話し出して、無意識に眉根が寄る。
何なんだ、いったい。
そんな私をチラッと見た2人。
ほら、と岳さんが樹里に声をかけると、樹里が頷いて私に何かを差し出してきた。
「シロにあげる」
渡されたものはさっき樹里が買ったものと同じように綺麗にラッピングされたプレゼントらしきもの。
ただ一つ違うのは、ラッピングの色がピンクじゃなくて淡い水色。
「え?」
思いがけないプレゼントに驚いて2人を見る。
「今日付き合ってくれたお礼」
「いつの間に……」
「ん?会計してた間にシロ、トイレ行ったでしょ?その時こっそり一緒に買ったんだよ」
「……」
「樹里と俺からだ」
樹里の後ろから岳さんがニッと笑った。