「送ってくから家の場所教えて」
「歩いて帰れるからいい」
ここから家への帰り道はわかるし、そう遠くない。
ムッとなった目の前の顔。
「そういうわけにはいかないよ」
「なんで」
運転手さんや2人にも迷惑をかけるだけなのに。
樹里の顔がいつになく真剣な表情に変わる。
「危ないし、シロは女の子なんだから」
たったそれだけの言葉に不思議な感覚が胸の中に落ちてきた。
危ない?女の子なんだから?
よく理解できないでいる私から樹里は目を逸らすことをしない。
いつもニコニコ笑ってるくせに、こんな時だけそんな瞳になるのはズルい。
「……わかった」
渋々頷いた私はせめてもの抵抗として、家の近くの公園に送ってもらうことにした。


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