「むー、じゃあ、シロが選ぶならどれ?」
「は?」
「は?じゃなくて、シロが欲しいって思うのは何?」
「私が欲しいもの選んだって意味ないと思うけど」
「いーから」
ね?と笑う樹里。
私が欲しいもの……。
チラッとさっきの白いうさぎを見る。
ふかふかで触り心地が良さそうなうさぎ。
「……」
子どもの頃に憧れてたうさぎと似てるそれは、私の心を揺さぶるのには十分だった。
ただ、今さら欲しいと思うのとは別だ。
だから、
「やっぱり、な……」
「これか?」
ない、と言おうとした声がいつの間にか後ろにいた人物に塞がれた。
「真白もやっぱり女の子だな」
大きな手にすっぽりと収まった白いうさぎを見ながら、クスッと笑われる。
「ちがっ…」
「そういえば、このうさぎ気にしてたね。うん、可愛いし、これに決めた!」
否定の言葉も遮られ、颯爽と岳さんと一緒にレジに向かう樹里。
……人の話ぐらい聞いてほしいんだけど。


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