_______________……
「買い物?」
今日最後の授業が終わり、教科書類を片づけていると現れた樹里の言葉に顔を上げる。
「そう、買い物。良かったら付き合ってくれない?」
「……なんで私」
「妹がもうすぐ誕生日で、やっぱりそういうのって同じ女の方がわかるかなって」
「いや、私、そういうの無理」
同性だからって好みが合うとかはないと思うんだけど。
それに、あまり物に関心がない私がまともなのを選べるはずがない。
何より、面倒くさい。
「えー!シロ、お願い!」
「他当たって」
ほら、今だって私のことギラギラと睨んできてるし。
「無理!絶対やだ!あいつらが選んだものを大事な妹に渡せないよ!」
わなわなと手を震わせて、クラスの女子をチラっと見た樹里。
何だ、その明らかに汚物を見るような瞳は。
ハア、とため息を吐く。
「……わかった」
このままじゃ埒があかないと思って渋々ながら頷くと、樹里は嬉しそうに笑った。


![[特別版]最強姫〜蘭蝶と白虎に愛されて〜](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.781/img/book/genre1.png)