銀色の彼




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「買い物?」



今日最後の授業が終わり、教科書類を片づけていると現れた樹里の言葉に顔を上げる。




「そう、買い物。良かったら付き合ってくれない?」



「……なんで私」



「妹がもうすぐ誕生日で、やっぱりそういうのって同じ女の方がわかるかなって」



「いや、私、そういうの無理」



同性だからって好みが合うとかはないと思うんだけど。


それに、あまり物に関心がない私がまともなのを選べるはずがない。



何より、面倒くさい。




「えー!シロ、お願い!」



「他当たって」



ほら、今だって私のことギラギラと睨んできてるし。




「無理!絶対やだ!あいつらが選んだものを大事な妹に渡せないよ!」



わなわなと手を震わせて、クラスの女子をチラっと見た樹里。


何だ、その明らかに汚物を見るような瞳は。



ハア、とため息を吐く。



「……わかった」




このままじゃ埒があかないと思って渋々ながら頷くと、樹里は嬉しそうに笑った。