銀色の彼





[男side]




「おでこにキスしたぐらいで純情かよ」



叩かれた頭をさすりながら、真っ赤に頬を染めた女の姿を思い浮かべて笑う。



あの雪の日に出会った黒髪の女は、相変わらず生意気だったけど、媚びないその堂々とした姿勢は魅力的だ。



パッチリとした二重の瞳にきめ細かい肌、胸下まで伸びた落ち着いた黒髪、


大人しそうな可愛い見た目に反して、中身はすげえドライでズバズバ物を言う奴。




「……面白え女」



片膝を曲げて、肘をその上に置いて頬杖をつく。






「_________真白、か」




勝手にスマホを覗いて知った女の名前。



雪のように真っ白で、儚げなあの女にぴったりな名前。



思わず口角が上がる。