相変わらず、夜はまだまだ寒いな。
今日は月が出ていない。
公園にある時計がもうすぐ夜の12時を回ろうとしていた。
今日は日曜日だから明日からまた学校だ。
学校には普通に授業を受けて、たまにサボるぐらいで何も変化はない。
強いて言うなら、何故かよく樹里が私に絡みにくるせいか、女子からの鋭い視線がここ最近また強くなった気がする。
体中に穴が空きそうな気分だ。
好意的じゃない視線を向けられて、私だって嫌な気持ちにならないわけじゃない。
別に友達が欲しいとかそういうんじゃないけど、樹里といるのが嫌だというんじゃないけど、面倒くさいことが多すぎる。
ハア、とため息を吐いた。
「_________何してんの?」
その言葉を聞くのは二度目だった。
低い声が鼓膜を揺らして、ゆっくりと視線を声の主に向けると、
「よう」
妖艶に笑う、あの雪の日に会った銀髪の男がいた。