銀色の彼




「その代わり、シロのことも教えて」




「ギブアンドテイクだよ」と笑った樹里。




「人のお弁当を勝手に食べるやつにギブアンドテイクもない」




「あ、まあそっか」




やけに納得したように笑う姿に、ため息を吐く。




「それに興味ないからいい」




別に樹里達が何者かなんかてどうでもいい。



樹里達の世界に私が関わることも

私の世界に樹里達が関わることも


ないのだから。



それに、そこまで有名なら誰かに聞けばいい。




「むー、興味ないって言われたら逆にこっちは気なっちゃうんだけどなあ」



ポソリと呟いた樹里の言葉に顔を上げる。




「……」


「……」


「……」


「……え、どうかした?」




樹里の顔をずっと見つめて黙る私に、不思議そうに首を傾ける。



その仕草は可愛らしい顔に似合っていて、そこらへんの女子よりも女の子らしい。