銀色の彼

「それに……」



樹里が真っ直ぐに私を見つめる。



何……？



「僕達のこと、知らないし」



は？


思わず眉が寄るのがわかる。


そりゃ、今まで会ったことない人を知ってる方がおかしいでしょ。



そんな私の反応にやっぱりね、と笑う。




「この高校入る子なら絶対知ってるよ」




……確かに樹里といる時、女の子からの嫉妬の視線はあった。



でも、その中に男の子の羨望や好奇の視線もあったのは不思議だった。




このことが樹里の言うそれに関係しているんだったら納得がいく。




……私、面倒な人に関わってたのか。




「教えてほしい？」



ニコッと可愛らしい笑顔を浮かべる。



「は？」


「僕らのこと」



何かむかつく……。