銀色の彼




「普通だったら、女の子はあまり来ない場所だよ」



普通だったら……。


チラッと視界の隅にいる数人に目を移す。


派手な髪にメイク、制服もかなり着崩している。

笑い声が下品でうるさい。



私の視線の先に気づいたのか、



「ああ、あれは論外」



樹里が心底嫌そうな顔をしながら手を横に振った。



「言ってみれば、シロは異色なんだよ」


「……」


「見るからにお嬢様って感じしてるのに」



まるで私のことを疑っているかのような言葉、視線。



いや、実際そうなんだろうけど。




「あ、でも口は悪いか」




……一言、余計なんだけど。




「まあ、見た目清楚な子がここに来るなんて普通ならありえないんだよ」





悪かったね、見た目だけ清楚で。