銀色の彼




「あ、あった。真白(マシロ)ちゃんっていうんだ。じゃあ、シロだね」



「は?」



思わず眉をひそめると、



「え?嫌?」


コテンと首を傾けられる。



無意識でやっているのか、まあそれはそれで可愛らしいけど。




「嫌」



そのあだ名はどうかと思う。




「えー、可愛いのに、シロ」



「可愛くないから」



「あ、シロ。お昼休みは一緒に食べようよ」



「……」



この男は何を言っても無駄な気がする。



人の話を聞いていない。




「シロー、約束通り一緒に食べよ!」



お昼休みになった途端、自身のお昼ご飯を手に早々と私のところへやって来た。



「約束した覚えがない」


「まあ細かいことは気にしない」


「……」


「シロってお弁当手作り?」


「……」


「唐揚げもらお!」


「……」


「うまー」


「……」



頼むから誰かこの男黙らせて。