「僕が、僕が好きでシロと一緒にいたのに……」
「樹里、」
「なのに、気づかなくてごめん…巻き込んでごめん…」
「……」
「僕と一緒にいることがどんなに危険か、ちゃんとわかってなかった。シロのこと、考えてあげれてなかった」
ごめん、ごめんと悔しそうに謝るシロに、握る手に力を込める。
「私の注意が足らなかっただけだから」
「違うよ」
「ううん。樹里と離れることなら簡単にできたのに、私はそれをしなかった」
だってね、
「上手く言えないけど、樹里の隣にいると楽しかった」
少しだけ口角を上げると、樹里の大きな瞳が驚いたように見開く。
「だから、今回のことは私の不注意。心配かけて、自分を責めさせてごめんなさい」
「シロ、」
まだ何か言いたそうな樹里より先に言葉を紡ぐ。
「チームのことで落ち着いたら、また一緒にお弁当食べよ?」
その言葉が予想外だったのか、キョトンとした顔を浮かべた樹里だったけど、すぐにいつものようにうん、と明るい笑顔を浮かべてくれた。
やっぱり、弱々しい樹里なんて似合わない。
そっちの方が樹里らしい。