私は、少しでも気を紛らすためにクレープを食べる事に全神経を集中させた。 すると、その時。 「ちょっと頂戴」 そんな声と同時にクレープを持っている手首を掴まれ皐月の口まで一緒に運ばれた。 最初、何が起きたか全然分からなくてぽかんと硬直してしまう私。 「ん、うまい。……って、なんだよそのマヌケな顔は」 「え……。あぁ、」 落ち着け、落ち着け。状況を理解しろ。 今、皐月が私のクレープを食べた? ってことは、間接キス!? やっと、理解した私はボンッと顔が熱くなってしまった。