今度は、躊躇いもなく投げられたノートの切れ端を開いた。 《カップル限定のクレープあるだろ? それ、食べれるぞ。》 ……あ!!そうだよ、そう。 駅前のクレープ屋は、カップル限定のクレープが売ってある。 1ヵ月ごとに変わって二種類の味があるんだけど、彼氏とかいない私はもちろん一度も食べた事がない。 カップル限定のクレープは、それはもう美味しそうで。 私は、それまで悩んでいたのが嘘のように《行く》と投げられたノートの切れ端の裏に一言書いて皐月の机に投げた。