「はい!もっち、これ。甘さ控えめにしたから」



学校に着いて早々、もっちの机の前に行き持ってきたガトーショコラを渡す私。



「毎年、毎年ありがと」



フッと口元に弧を描きながらそう言ってくれるもっちに、私まで顔が綻ぶ。



「そうだ。私もはい」



机の横にかけていた白い小さな紙袋をそのまま私の前につきだしてくるもっち。


私は、それを受け取り「開けてもいい?」と言う私を言葉に小さく頷いたので紙袋から取り出してみる。