___……パンッ、 頭で考える先に、体が動いていた。 乾いた音、それは私が皐月の頬を叩いた音で。 「……なっちゃんは、皐月とは違う!!そんなことしないし! なっちゃんをバカにしないで!! 一緒にしないで!」 生まれてから一番大きな声を出したであろう罵声に、皐月は顔を歪めた。 でも、そんなことは気づいていないふり。最後はありったけの怒りを込めて、 「……最っ低、最低だよ、」 睨みながらそう言って、皐月の返事が返ってくる前に走り出した。 ファーストキスは、苦い苦いコーヒーの味がした。