ずっとこの広い病室で、独りきりだった僕は。

 

いつの間にか、隣で太陽みたいに笑っているハルナさんに、惹かれているみたいだった。
 
ハルナさんが隣で笑っていることが、僕にとって当たり前になって来ているみたいだ。


 
退院、してほしくないな。
 
それか、僕が退院できるようになりたいな…。


 
叶わない願いだってわかっているけど、僕はそう願ってしまう。






「ハルナさん。
僕、少し寝るね」


「あ、わかった!」


「その小説、続きが見たかったら、勝手にそこの収納棚から取って良いからね」


「ありがと!」



 

現実を知ってしまった僕は、何故か泣きたくなった。
 
そして、どうして自分はこんななりなのだろうと、悔しくなってくる。


 



僕は現実から逃げるように、眠りに落ちた。