「ハルナちゃん!」



 


病院の敷地を出て、すぐ。
 
後ろから呼ばれた名前に、あたしは振り返った。
 




あたしの名前を呼んだのは、カイくんの担当医だった。







「ハルナちゃん。
良かった、間に合って」


「どうしたんですか?」


「これ、カイくんからハルナちゃんへ向けた手紙」


「え?」

「さっきハルナちゃんが病室を出た後、病室へ行った時、見つけたんだ」






<ハルナさんへ>



 


真っ白な封筒に書かれた、初めて見るカイくんの字。
 
さっき止まったはずの涙が、溢れてきた。



 



あたしは病院近くの公園のベンチ座って、手紙を開いた。