「……莉愛、まだチャンスがあるのかもしれないよ?」
賑わう廊下で、あたしと麻琴を前を歩く楓が不意にそう言った。
……チャンス?
「…あたしにチャンスなんて、もうないんだよ」
もう、遅いの。
あたしがいくらもがいても、湯河原センパイにはもう届かない。
楓が、いきなり立ち止まった。
「……あのさ、莉愛。
さっき、竜稀センパイが一瞬、莉愛を切なそうに見てたの気付いた?」
「……えっ?」
いきなりそんな事を言われて、あたしは弾かれたように楓の顔を見た。
「もしかしたらだけど、竜稀センパイ、莉愛の事気になってんじゃないの」
楓はそう言いたいんだよねと言い、麻琴は代わりにあたしにそう伝えた。


