鈍感さんに恋をした。



「……たっちゃん?
どうかしたの?」


「夏見、やっぱ俺帰るわ」


「え、なんで?! 今来たばっかなのに」


「急用を思い出したんだよ」


「… たっちゃん、なんか怒ってる?」


「別に。じゃあな」


俺は荷物を持つと、夏見の部屋を出た。


「ちょっとたっちゃん、待ってよ!」


夏見が部屋のドアを開け、俺を追い掛けて来た。


玄関で靴を履いていると、後ろから夏見の声がした。


「ねえ、私なんかした!?
…答えてよたっちゃん!」


「…うっせぇな、急用あったっつってんだろ!!」


俺は思わず怒鳴りあげた。


夏見の目に、段々涙が貯まっていくのがわかった。


「ひどいよ!たっちゃんなんか、もう嫌い! 顔も見たくないっ!」