「何やーってんの?」
「高橋...一馬...」
意外にも名前を覚えられてた。
「そうだよ。高橋一馬だよ。」
嬉しさを隠しながら言うと彼女は
「なんか用?」
とぶっきらぼうに聞いてきた。
「なんでいつも話し合いサボんの?
そんなに嫌い?」
「うん。嫌い。大嫌い。」
「なんで?楽しいじゃん!」
「どこが楽しいの?全然楽しくない。」
「みんなで団結できるし。」
団結することの楽しさが俺は大好きだった。
でも彼女はちがったんだ。
「ごめん。そういう団結とかあたし大嫌いなんだよね。
てかまずあたしに関わらないほうがいいよ。ひどい目に遭うから。」
「じゃあ好きにさせてあげる!ほら行くぞ!」
気づいた時には彼女の手を引っ張っていた。
あっという間に教室。
「みんな~連れてきたよ~」
「よかった~待ってたよ。」
「さあ話し合い再開!」
彼女が安心できるようにみんなにも協力してもらった。
嫌がるやつも納得してくれた。
これでアイツと仲良くできる
クラスも良くなる
....と思っていたのに。

