私は自分を攻めながら体育館通路の来た道をC棟に向かって歩いていった。 いつもは乍原率いる野球部が体育館通路を占めている。私が野球部の事嫌いなのを分かっていながら。 「おい公塚」 その声は乍原の親友────…… 前川(マエカワ)だ。 最近うちの学校は、通った人の好きな人の名前を大きな声でハッキリ言われる。 噂───……広まったか。 私は誰よりも重いため息を口から吐いた。 .