「おはよ、ゆい。じゃあいくか!」
「うん...どこいくの??」
「んーー、内緒ー」
そう言って、俺はゆいの手を引いて目的の場所へ向かった
「着いた。ここ良いでしょ?俺のおすすめの場所」
そこは草原が広がっている高台みたいなところで、少し坂になっている
空が見渡せて凄く空気がすんでいて俺は好きだ
「.....凄い、空って広いね」
「ははっ、当たり前だろ~」
俺は草に寝転んだ
ゆいも俺と同じように寝転んで
二人で空を見上げた
「......なぁ、ゆい。ゆいはどうして家庭科室に来てたの?」
これはずっと思っていたこと
「私ね、.......ある人を探してたの。その人はいつも私に話をしてくれて、この学校の家庭科部で、俺の夢はパティシエになることだって私に話してくれてね」
「.....えっ....」
「私と話してるときが一番楽しいって言ってくれて、私が"いつか会えるかな"ってそう聞いたら、"会えるに決まってるじゃん、俺が絶対見つけるから"って、そう言ってくれたの....」
「......なぁ、それってさ....」
「うん.....かなたくんだよ。」
やっぱり、あのとき見ていた夢に出てきた女の子はゆいだったんだ
だから、何か懐かしい
そう思ったんだ
もう、俺はこの気持ちを押さえられなかった
「.....ゆい、俺さ..
ゆいのこと好きだ」
俺はこの気持ちを伝えないと、そう思った
「えっ.....で、でも!私は...」
「分かってる....それでも好き、ゆいが好きだよ」
困らせたか
そうだよな、いきなり言われたら
困るに決まってる
ゆいからの返事は分かっていた
「かなたくん........
私も好きだよ....
だから離れたくない」
ゆいの目から涙がこぼれるのが見えた
「......なんだよ、...そっか...ははっ」
ゆいも俺と同じ気持ちだったのか
そう聞いて俺は気を張っていたのが一気に抜けた
「か、かなたくん?....なんで泣いてるの...」
「えっ.....?」
俺泣いてるのか....
あー、カッコ悪い
最後くらいかっこよくしたかったのに
「......ふふっ、大好きだよ、かなたくん」
そして、彼女は俺に触れるだけのキスをした。
「......ゆ、い....」
気付いたらゆいの体は薄くなっていた
「.....もうそろそろ限界みたい....」
嫌だ、
そんな顔で言うなよ
俺が好きなその笑顔で
「......もう、お別れだね........」
「........ゆい....まっ、て.......」
俺はゆいを強く抱き締めた
「......なぁ、ゆい。俺本当にゆいが好きだ、愛してる。.........また、会えるかな。何処かで」
「......うん、会えるよ、きっと....」
「...そっか、そうだな....」
「本当に幸せだよ、ありがとう」
そして、ゆいは風と共に消えていた
「........ゆ、い......」
俺は声を圧し殺して泣いた
ゆいが心配しないように
「ありがとうな、俺も幸せだよ」
空を見上げ、笑顔でそう呟いた
すると風が吹き上がって木々を揺らした
まるで
ゆいが返事してくれているみたいに
end



