こうして、京子とのメールが始まった。ちなみに、慎平は、当時、ケータイを買ってもらえなかったので、パソコンのメールを使った。




京子は、ケータイを持っていた。




そして、「今日何があった」とか「こういうことに興味がある」とかをやり取りを重ね、慎平は、メールで告白をした。




しかし、京子は、断った。何て言って断られたのか、慎平は、覚えていない。ただ、それからもメールのやり取りは続き、慎平は、意を決してもう一度、メールで告白した。




しかし、それも断られてしまった。それ以来、京子とメールをすることはなくなり、京子の方も、メアドを変えてしまったみたいで、やりとりはできなくなった。




それから、中学2年に京子と同じクラスになり、慎平は、気まずい思いをした。それにも関わらず、京子は、普通に接してくるので、慎平は、あの時、メールのやり取りをした相手が、本当に京子本人だったのか、疑問に思った。




そして、中学3年でも同じクラスになり、運動会でああいうことがあったのだから、慎平は、京子のことが好きになっていた。しかし、2回も振られてしまっては、慎平の方からは何もできない。




結局、慎平は、京子とそれっきりで、慎平は慎平で卒業前に2か月ほど、別の子と付き合った。




ただ、卒業までの春休みに、慎平は、ケータイを買ってもらう、京子とメールのやり取りをしている。これは、はっきりと覚えている。しかし、どちらからメアドを聞いたのか、どういうことをやりとりしていたのか、それを慎平は覚えていなく、メールのやり取りも、高校入学と同時に、なくなった。




それから数年経ち、慎平の元に知らない電話が来た。懐かしい声で、「里中から連絡先を聞いた」のだと言った。




そう、その電話の声の主こそ、今、慎平の横に座っている女性、名前を松山 京子という。




慎平の同級生であり、慎平をここに呼び出した張本人である。