生徒だけど寮母やります!2

景は、自分が返答に困っていることを自覚した


男子寮Bでは寮母

教室ではただの生徒


そうケジメをつけて一年過ごしてきたけれど、ライとの関係には矛盾があった


教室で人目を気にして関わる私達は、ただの生徒と寮母の関係だったのだ


ライと友達になりたい


「教室で、友達みたいに話したい」


景は思わずポツリと、そう本音を漏らした

そして同時に、物凄く不安な気持ちになってライを見た


「ビビんなよ。なんでただの高校生が、周りを気にして友達やんなきゃなんねんだ。俺と結斗の事はむしろ迷惑だから気にしてんじゃねぇ」


景は手をぐっと握りしめて頷く


新しいクラスになって、結斗が初めてクラスメートになって


きっと今のままでは彼に心配されてしまうだろうからと、ライは私と男子寮Bの生徒である彼らとの教室での関係を変えようとしたのだろう


「ばかじゃん.....」

景は言葉に反し嬉しさをかみしめて笑みをこぼす

今回はすっきり完敗した気分だ


「バカはお前じゃん」

「うるさいうるさい、女子寮に帰ります」

「.....ガキか」


景はなんだか悔しかったのでライをわざとらしく睨んで個人部屋の廊下をスタスタと歩き出す


しかし一階へとつながる階段を下りようとしたその時


ライに手首を引っ張って抱きとめられ

「ひっ.....むぐ」

叫びそうになった口を押さえられた