念を押すように言うライに景は苦笑いすると、彼を押しのけて微笑んだ
「でも、今年も同じクラスになれて嬉しかったよ」
「.....九雷と?」
「ライとだよ」
ライはいきなり素直になった景を疑って見ていたが、暫くして口元を緩めて笑う
うわぁ.....
ライが.....微笑んでる
景がいつもはなかなか見ないその優しい表情に見とれていると、彼は少し困ったように口を開いた
「1年前は俺とお前がクラスで話してるだけで周り、特に女子から酷く騒がれて..........あぁ終わった、と思ったけど」
「終わった.....って?」
「お前は絶対、クラスで関わらないこと、ただ生徒と寮母の関係でいることって言ってくんだろーなと思ったってこと」
景は「あぁ.....」と頷くと、彼の推測通り確かにわざと彼を避けて生活していたあの頃を思い出した
話したくなかったわけじゃない
けれど、ライに迷惑をかけないためにはそうするしかなかったのだ
「ま、最近はまだマシになってきたかもな。でも、今年も同じクラスになって、そして教室では俺と結斗とは関わらずに過ごすよう努めるんですか、寮母さん」
ライは景を視線だけで見下ろしながらそう言うと、彼女の返事を待っているのかそれきり何も言わない



