暗い部屋で女性を拘束するなど、普通に考えて正しい判断のできる人がすることではない


それでも気にせずクスクスと笑っている彼の様子に、景は寒気を覚えずにはいられなかった


潮見が景の手首を掴んだまま、背後から囁くように景に尋ねる


「ねぇ笠上さん。男子寮Bって一体何なの?ただの寮じゃないの?」


景には全くその言葉の意図が見えず、「え?」と純粋に聞き返した


「男子寮Bにどうしてあの方がいるのかって意味だよ。あの方は僕たちが仲良くできるような人じゃない。一体君は彼とどんな関係なの?」


「え..........」


あの方?

誰のこと?


景は自然と口からついて出そうになった疑問を飲み込み黙り込む


景はわずか数秒の間で、考えを巡らせた