「でも.....何で爽馬君が学校にいるのかとか、結斗君とはどうなったのかとか、そんな私たちには知り得ない情報を4組の笠上さんだけは知ってるんでしょうね」
「ちょっとぉー、わざわざテンション下がること言わないで?」
笑い合う声は高く、耳にキンと響く
冗談口調の彼女たちの言葉には、景に対する明らかな妬み嫉みが含まれていた
「いい身分だよね。いくら寮母の仕事が大変ったってさ、私も毎日あんなイケメンたちに囲まれて過ごせるなら、トイレ掃除だって何万回でもやるわ」
「あはははっ、絶対嘘ぉ!てか普通に近づいて仲良くなって彼女になる方が早い♡」
「どうする?んで実は笠上さんと付き合ってるから無理、とか言われたら」
「え?そんなん許さないでしょ」
「こーーーわっ!」
「私が許しても学年の女子が許さないからね」
ナイフのように尖った
心無い言葉
これが景が背負ってきた、いまも背負っているものなんだと唐突に理解した
もちろん分かってなかったわけではない
けれどかつての有姫のように、明らかな嫌悪を景に向ける人なんてごく稀で
自分に対していい顔を向けてくる女子たちの多くが、内側にこんなにも強烈な妬みや嫌悪を持っているのだとしたら
それが露わになった時
景はきっと
壊れてしまうのではないだろうか



