生徒だけど寮母やります!2


「ごめん景、離れないで。泣きそうな顔を.....見られたくない」

「そ、そっか.....泣きそうなの?」

「.....」



だって


その声に

どれほど名を呼ばれたかったか



その瞳で

どれほど僕を見て欲しかったか


この手で

どれほど触れたかったか_____




そんなことを今まで毎日、ずっと考えてたなんて

君は知らないだろう



きっと君が想像するよりずっとずっと、ずっと

僕は君のことが大切で



今こうして触れているだけで手が震える




このまま離したくないと

思ってしまう



「もう離さないからね、爽馬」


景の優しい声が、耳元で囁やいた



「え.....」

「私たちの前からいなくなっちゃうこと、もう許さないから。あの時みたいに聞き分けよくお別れしたりなんて、しないんだからね」


冗談めかして言う景の背中が、笑い声で揺れる



「そんなことしたら、泣き喚いて駄々こねちゃうから」




_____本当に?


思わずそう聞き返しそうになる



「本当だよ?」


冗談だと思ってるでしょ?


タイミングよく、景がそんな風に笑った







「うん.....ありがとう」



「こちらこそ。帰ってきてくれてありがとう、爽馬」