生徒だけど寮母やります!2

ライは自分への労いの言葉に、今までの美音の苦悩を想像した


一言で言えば彼女の行動は失敗したと言えるだろう


けれどライを救ったその考え方や行動力を、どうしても否定することは出来ない



「あんたには、絶対に見つけて欲しい。それが結果的に景やあんたの両親を傷つけていても、これで終わるのはどうしても納得できない。あんたらしく探して欲しいと願ってる自分がいる」



先ほどよりも少し優しさを孕んだライの言葉に、美音は被せ気味に食いついた



「私まだ探したいんだ!今回のことは自分の周りの誰をも不幸にしてしまったけど、絶対にどこかに居場所があるって信じたい。ここで辞めたら、今までの自分が全て否定されそうで怖いんだ。

景や親には申し訳ないけどさ、大切な人たちなんだけどさ、自分の居場所は家じゃないんだ。どうしても血が繋がってるから、優しくしてもらえるし大事に育ててもらった。だけど、ほんとに贅沢だけど、私が探してるのはそういうことじゃないんだ。

もちろん魔妖学校でもないし、妖術結社にもなかった。笠上美音を捨ててハナになって一からやり直そうとしたけど、失敗して.....でも、自分がいるべきはそこではないと分かった。

次へ行きたい、まだ足掻きたい、絶対に自分の手で自分の生きていく場所を掴みたい、1秒でも早く!」



ライは必至の剣幕で訴えてくる美音に苦笑を漏らすと、その背中に手を回した


「分かったよ」


優しく包み込むように、彼女が落ち着くのを待ってからそっと囁く



「行っていい。こればかりは景じゃなくてあんたの味方だから」


これが笠上美音という人なのだろうと思う



弱ってボロボロになっても前を見れる強さが

あの時自分の背中を押したから


今度はこの人の背中を押したい



幸せになってもらわなきゃ許せない


少女の心に深い傷を与えた魔妖高校の生徒のこと

黙って家出させるまで追い詰めた大人たちのこと

命を削らせてまで駒として利用した爽馬の父親のこと

色んな人を心配させて信念を貫き通そうとした笠上美音本人のことも