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さてそんな流れで市河、咲夜、爽馬、ライ、結斗、弥隼、千加は市河の部屋へとやってきた
暖房器具や扇風機、段ボールなどが積まれ多少物置化しているものの部屋はきれいに残されている
一同は中学生市河を想像しながら興味津々に見渡した
「お〜ここがいっちーの部屋、へーえ!」
「エロ本かAV最初に見つけた人が勝ち」
「勝ちません。コラはしゃぐな」
市河が何かやらかしかねない咲夜とライをギロリと睨み、棚へ向かってスタスタ歩き出す
一応言っておくがこの部屋にエロ本やAVなどという破廉恥なものはない
あってもせいぜい少年誌のグラビア程度だ
「てかせまーい」
「あたりまえだろ咲夜、7人で入るような部屋じゃないし」
市河は文句に対しぶつぶつ文句を言いながらしゃがんで棚の本を探し出した
「どこだっけー.....あったあった、懐かしいな」
「どう見つかった?」
「あったよ、ほら」
市河が振り返って単行本を数冊差し出すと、咲夜が「これこれ」と懐かしそうに受け取る
「「おー」」
アニメが好きだった千加と弥隼も咲夜の肩越しにその表紙を見ると、謎の歓声をあげた
「状態綺麗やな」
「査定か」
「これ寮に持ってって読みたいです先輩」
弥隼の申し出に市河は「好きにしていいよ」と快諾する
それを聞いていたライも、突然市河に
「俺も読みたい」
と宣言した
「.....え、うん?読んでいいよ」
「みんなで回して読みましょうよ」
最初に読んでいいですよ、という意味か弥隼が一巻をライに渡したところで結斗が笑う
「みんなしてこれ読んでるところを景ちゃんに見られたら、オタクっぽいと思われそうだね。俺も読みたいんだけど」
それを聞いてた市河はしゃがんだまま、そう?といいたげに結斗を見上げると
「景はコレのアニメ見てたらしいよ。前話した」
と思いもよらぬ情報を提供した



