30分後
シュークリームを食べ終わり、久々の再会や爽馬兄の仲間入りもあって談笑に花が咲いていた
ちなみに毒塗りシュークリームは泣く泣く捨て、景はありがたいことにシヅキの分のシュークリームを貰い食べることができた
隆馬は年齢が近いこともありカイと話が盛り上がっており、表情こそ変わらないものの話が続いてるようだ
一方で景は、ハル、カヅキ、シヅキと女子トーク中である
「ひぃー女子高生のカメラロール青春って感じー!あ、これ文化祭じゃん」
ハルは景のスマートフォンに入っている写真を、にやにやしながらスクロールする
「そうです、今年の」
「ハル私にも見せて〜。へぇぇ、喋る鯛焼き?魔界Bar。幻覚サーカス。人間白髭危機一髪.....面白そうなことするわねぇ高校生って」
「面白いっていうか馬鹿やな。てか誰この景ちゃんの横におる美少女!」
「それはおたくの息子さんです」
「「オエエエエエェェェ!?」」
こんな感じで女子たちがゲロを吐いている間、男子たちは漫画の話で盛り上がっているようだった
「そう、俺たち思春期ですから一度はその壁にぶつかりますよね。『魔術妖術漫画アニメ実際と違う問題』」
咲夜の議題提示にその通り!と言わんばかりの拍手が巻き起こる
年上男子チーム、女子チームが一瞬静まり返りナンダ?と視線をやるも、直ぐにそれぞれがそれぞれの話題戻り騒がしくなる
拍手の音がやんだところで、咲夜は議題について詳しく説明した
「やっぱり漫画やアニメの魔術妖術って実際よりも遥かにかっこいいし簡単みたいなところあるじゃん?あれって俺は違和感こそあっても全然普通に読めるし見れるんだけどみんなどう?」
「それはお前が一反木綿だからだ。ただ布が飛んでるだけなのに現実よりもカッコいいもクソもあるか。そもそもまず、布なんかにフィーチャーした漫画は無い」
咲夜が言い終わるよりも先にライが喋り出し、その内容に一部(妖術科)からブーイングが発生する
「それはただの悪口なんじゃ」
「よく言った千冬!」
「ゲ◯ゲとかあるしねっ!」
「カッコよくはないけど、たしかにあるよねミヨちゃん」
結斗が後輩の発言にうんうんと頷くと
「先輩こそ、逆にヴァンパイアものって星の数ほどあるけど読んだり見たりするんですかっ?」
満宵が興味津々に質問した
「そうだね、読むよ。アニメも多少見るし。でも血に飢えて苦しんだり、依存したり、人間と共存できずに傷つけ合ったり。イメージ的に血を吸う行為が不幸と結びつきやすいんだろうなと思うと心が痛むよね。
確かにクールなキャラクターも多くて悪い気はしないけど、ほとんどの作品がメリーバッドエンドだから悲しいし、単純に飽きてきた節もあるかな?」
ヴァンパイア本人のリアルで生々しい話に全員が思わず「あ〜」と声を出す



