生徒だけど寮母やります!2

「みんな分かってたかもしれないけど、結斗の身体に憑依してるその人は.....僕の兄弟。狐憑きを得意とする兄の隆馬です」


爽馬はちゃぶ台を挟んで斜めの方向に座る自分の兄を見据えて、複雑な面持ちで口を開いた



一方で姿は結斗の兄、隆馬は一瞬憎らしげな表情で弟に目線をやるなり直ぐに逸らす



逃げ出して彼に手間をかけさせた自分を恨んでいるであろう兄を、爽馬は少し寂しそうに見つめてから話しかけた


「結斗の身体を返して。それで、市河家.....この家を頼って兄さん。僕だけじゃない、兄さんたちも、アカギさんたちも、あんな父親の駒になることをこれ以上許すのはダメだ」


冷静に、しかし激しい想いで訴えかけられた隆馬は、一点を見つめて押し殺したように息を吐く


『そう出来るんならやってるよ』


そんな心の声が聞こえた気がして、景はカーペットに手をつき少し身を乗り出して目の前の彼に

「私たち、絶対に.....!」

訴えかけようとした


「絶対に.....えーーっと爽馬、私たちが倒さないといけないのは誰?」


「.....僕の父親、と根本的に解決するなら父親の上で指示を出してる妖術結社上層部の黒幕」


「分かった.....!そう、だから私たち絶対に爽馬のお父さんと妖術結社の黒幕を倒すと約束するので、爽馬のお兄さんにはそれを信じてここで身の安全を守って待っていて欲しいんです」


そう言って景は頭を下げる



隆馬は自分に安全な場所にいて待っていてほしいと説得する目の前の女子高生に対し、当然ながら戸惑いを見せた


仲間(結斗)に憑依し景に毒まで盛ろうとした自分に、なぜ彼らはここまで優しくするのかと多少訝しんでいる節もある



けれどその中にも素直な優しさと想いを感じてもらえたのは確かなようで


「何で.....」

彼は小さくそう吐き出した