「もう成す術無しだから諦めた方がいんじゃね?それで結斗返せ。ほら、景はシュークリームも食べなかったわけだし」
言ってから咲夜は皿に乗った、口の付けられていないシュークリームを見る
そう
実は結斗に乗り移ったこの男
「これ、景に渡す前に何か塗ったよね?」
景に渡したシュークリームに、事前に素早く
“何か”を塗っていたのだ
“結斗”は若干顔色を変えるも、すぐに眉をしかめ口を固く閉ざしたままだ
「あ、やっぱそうなんだ。やけにシュークリーム押し付けて来ると思ったんだ.....」
景は笑みを引きつらせると、貰ったシュークリームを一点見つめて目を据わらせる
“何か”とは、恐らく、もちろん、確実に“毒”だ
「嗚呼、せっかく貰ったのに.....」
ダメになってしまったシュークリームが非常にもったいない
死語ならぬ死擬音語ではあるが、景の頭の中には「チーン」が響いていた
そこで、ずっと黙って見守っているだけだった市河兄、カイが口を開く
「そうだね。それには毒が塗ってあるのが視えるよ。毒っていうのは通常、解毒薬も一緒に作るものだから、ソレと引き換えに小高君を引き渡せとかいうつもりだったんだろうけど」



