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景は目の前の“結斗”を睨みつけ、怒りを静かに燻らせた
「けど、私たちは全員すぐに気がつきました。結斗は女性が大きなお盆を運ぼうとしていたら黙って見ているような人じゃないし、女性からプレゼント(シュークリーム)を貰ったら『ありがとう』だけで済ませるような人じゃない.....」
「クソみたいなフェミニストが足りないって言えよ」
「フェッ.....ちょっと黙ってライ。あ、あなたは全然紳士的じゃないから直ぐに分かったってこと!」
景はビシィッと“結斗”に対して人差し指を向ける
ジトリと“結斗”を見ながらハルが「物は言いようだね」と呟くと、咲夜が「全くです」と同意した
景を睨み返したまま口を開かない“結斗”
本人でないことは分かっていてる
けれどいつもそのような表情をしない彼だけに、思わずその視線に景の胸がちくりと痛んだ
満宵がそんな彼を見て大きなため息を漏らす
「はぁぁぁ、ねぇ何がしたいのっ?それにアナタ、自らボロ出したんだからね。妖術結社の男の人に助けて貰って逃げたって言ったけど、本物の結斗先輩は霧になれば逃げれるし、おかしな発言だったよ。その点では僕たちそんな心配してなかったんだもん」
「そーそ。だから特にどうやって逃げてきた?なんて誰も聞かなかったと思うけど。自分から言ってくれるとはまた親切なことで」(市河)
「結斗先輩が妖術結社の結界師の精気吸った時点で、ヴァンパイアだって気づかなかったんちゃう?」(弥隼)
「そんなバカなことある?だってこの人たち『伊吹グループ』に窃盗入ってるんだよ。流石に先輩の事やヴァンパイア家系だってことは知ってたよねぇ?」(千加)
「そもそも知ってたとしてもヴァンパイアが霧になれることを知らなかったんじゃん?
超妖術家系の人間って感じ。魔妖高校にもろくに通わず、異種(魔術系統)との関わりを避けてきたからこその失敗だと思うけどね!!?」(咲夜)
「「「そうだ!!」」」
「みんな実はめちゃくちゃ怒ってるよね」
満宵の嫌味をきっかけに我も我もと嫌味を一方的にぶつけ続ける心の狭い男たちに、景が真顔で言う
咲夜に関しては最終的に魔術系統と妖術系統の確執にまで話が広がり、我に返った本人も咳払いをして
「とにかく」
と話を変えた



