____そうか、結斗もあの妖術結社の親切な男の人に助けてもらったんだ
うーん.....言いたいことは色々あるけれど、ところであの人は何で助けてくれたんだろう?
景はそんな事を考えながら用意したシュークリームを全て居間まで運ぶと、ミッション完了と誇らしげに頷く
「ありがとー景。ここ寮じゃないのにいつもの感じですっかり任せてゴメン」
「いいよ咲夜、これ性分だから」
___それにみんなボロボロになるまで戦ってくれて、疲れてるだろうしね
景は二年生はともかく巻き込んでしまった一年生の顔を見渡して、感謝しきれないなぁと心の中で呟いた
ところで人口密度が高くてかなり狭い
爽馬を取り返した今、ここには自分も含め男子寮Bの生徒が総勢11人もいるのだ
景がどこに座ろうか悩み目線をキョロキョロさせていると、目の前に座っていたライが振り返り、軽く腕を引っ張られた
「お前、なんかさっきから微妙な顔してね?」
小さめの声でそう問われて、景はしばらく言葉を失う
「えーと.....それを言われると、ライこそ」
景が言いかけた時、ライの横に座っていた結斗が横にずれて景が座るスペースを空ける
彼は手でどうぞと促しながら「微妙な顔って?なんかあった?」と景を見上げた
「あっ、いやいや!ううん、その、そういえば私と結斗のこと助けてくれた妖術結社の男の人、大丈夫かなーって凄い気になっちゃって」
その言葉にテーブルをはさんで向かい側に座っていた妖術科たちが反応して景を見る
「そうそう、あの人逃がした魚大きいよな。爽馬先輩の親父さん怒りくるっとんちゃう.....?」
弥隼は言ってから、控えめに咲夜と市河に挟まれ座っている爽馬をちらりと見た



