生徒だけど寮母やります!2


「え?出たいって?」

「だから何で分かんねん」



鳴き声1つで景の気持ちを察した咲夜を、弥隼が不思議そうな目で見る



彼には咲夜は気がすすまない様子に見えたが、思いの外決断は早かった


「しょうがないな.....」

「へ?いいんですか、寮母さん出しちゃって。そりゃ気持ち分かるけど、危険すぎやろ。先輩たちに怒られますよ」

「どうせ帰ったら腹パン複数回が決定してるんでね.....」



リュックをひと撫でし、虚ろな目でハハハと弱々しく笑う咲夜


横で納得いかない様子の弥隼をチラリと見ると、色々気にかけてくれる頼もしい後輩に笑いかけた


「そろそろ景も変化し続けるのはツライだろうし、俺らがあのオッサンと同じことしちゃダメだろ?」


同じこと____目の前にいる仲間の父親が、笠上美音にしたことだ



「せやけど.....」


「うん。だけど危険だよな。でも、ほら、ドラゴンいるし」


「後輩頼りすぎ」


親指で背後にいるはずのルークを振り向きもせず指す咲夜に、千冬がぼそりと本音を漏らす



千加は「ン?」と何の話をしていたのかイマイチ掴めない様子のルークを見上げると


「イヤ、そういえば君、それが仕事で派遣されてきたんだったね。正しい使い方だったか」

と納得しながら手の甲で額の汗を拭った



「ちょっと待ってよオッサン」


咲夜が今にも掴みかかってきそうなスーツたちを制するように声をかける


「早くしろ!」


そしてリュックを地面に下ろすと、そっと開けて小さなシベリアンハスキーを取り出した