が、
「あと思うんだけど先輩」
と思案顔の千加に言葉を塞がれる
「え?何」
しかし咲夜が聞き返したその直後
「こちらも、いつまでもこんな事に時間をかけている場合では無い。早急に爽馬を引き渡せ。さもなくば今、人質代わりに笠上景を捕らえるぞ。そのカバンの中にいるのは分かっている」
炎越しの爽馬父は怒りを含んだ声色で、散々妖術結社を手こずらせてきた目障りな高校生たちに忠告した
「.....ァァ.....!!」
_____フッツーにバレた!!
目に見えるほどストレートにショックを受けた様子の咲夜に、千加は真顔を向ける
「そう、そう言おうと思ったの俺も。この状況でリュック大切に抱えてたら、もう寮母さんが入ってるとしか思えないんじゃない?って。リュックって背負う物だって知ってた?。ごめん、言うの遅くて」
話題のリュックの中
ジッと動かず時が過ぎるのを待つつもりだった景は、外の会話を聞きながら何とも言えない気持ちになる
今まで安定していた咲夜のリュックを持つ手が震えるのを体で体感し、心の中で「あ〜あー.....どうしたものか」と考え出した
リュックの外側では子供の逆ギレの如く低レベルな咲夜の反論が聞こえる
「これでも精一杯やったのに、今更過ぎた過ちを何度もド直球に突きつけなくてもいいだろ冷徹野郎!親の顔が見たいわ!」
「あ、すみませんうちの親が」(←千冬)
「いやそんなことを言ってる場合じゃないでしょ」
最もな千加の発言に咲夜は一瞬黙ると、「え、どうしようマジで」と後輩たちに助けを求めた
「あのオッサンに全部バレとる」
「分かってます。指ささない」
弥隼が冷静に嗜めると、満宵がグルッと辺りを見渡し
「炎が大分熱くて体力が削がれそうだよ」
と弱音を吐く
「ダイジョーブ?」
「ありがとルーク、まだ何とか大丈夫だよ」
もともと体が弱い彼が少し疲労を露わにし頷くと、咲夜も表情を引き締めた
そこでリュックから小さく鳴き声がする
「わん」



