スーツの男たちも混乱中だが
「うわ、火が.....」
「イタイ.....アツイ.....」
着地の途端、炎に囲まれていることに気がついたルークと千冬も混乱気味だ
咲夜と弥隼、千加がそんな2人に駆け寄るのを尻目に、満宵はその顔立ちによく似合う花のような笑顔、別名ドヤ顔で男たちを見る
「へへへ、ザ マ ア ♡」
「あのガキ!!」
「クソが。あの笛は何なんだ。結界使いか?」
「さて、どうでしょうー?」
実は満宵の音色は結界を越えてルークと千冬に音色を届け、居場所を知らせただけ
実際に結界を破ったのは現在姿こそ人間だが、万能ドラゴンルークの魔力だ
とはいえ能ある鷹は爪を隠すので、結界を破り落ちてきた2人の正体をわざわざこちらから教えてあげることは無い
とは思ったが
「こいつら、さっき校舎にいた奴らじゃないすか?」
「本当だ、さっきの外国人!校舎で暴れてた奴だ。幹部、こいつ炎で炙ってきます!」
校舎での大っぴらで残虐な戦闘のせいで、異国の血が入る特徴的な暴れドラゴン、ルークの顔は思い切り割れていた
ルークの顔“は”
「あはは、千冬の存在薄っす」
「笑うな千加。僕が薄いんじゃなくてルークが強いんだよ。だいたい、僕の顔が覚えられちゃってたら、千加が真っ先に僕に間違えられて危なかっただろうし。逆に良かったよ」
「は?何そのド正論」
千加は真顔なのか困惑してるのか分からないような中途半端な表情で、そろりと咲夜を見やる
視線に気がついた咲夜は話を聞いていたのか、口元に手を当てると小さい声で「ヤベ」とつぶやいて顔をそらした
「この布先輩に君たちは顔割れてないとか言われたけど、もしかして僕結構危なかった?」
「僕は危ないと思ってたけど。千加が僕に間違えられて突然捕獲されてないかなって心配だったし。まさか先輩」
「本当にごめん、君たち顔結構同じだよねー.....景は似てないって言うけど.....。そこかなり気付かなかった。うわーー俺バカだ」
自分の犯したリスキーな過ちに「ヤッベェ」な顔をする咲夜を、千冬は何か言いたそうに少し口を開けたままジッと見る
しかしそれも束の間、数秒でその口を閉じ同じ表情で千加に向き直った
「ごめん僕やっぱ存在薄いかも」
「そうでしょ」
「イヤイヤイヤ、俺が言うのも何だけどイヤイヤイヤ」
どこか抜けた先輩に2人は顔を見合わせて苦笑する
「ははは、説得力」
「説得力皆無」
冗談、そんな責めてないですよ
とでも言いたげな表情で千加に肩を抱かれた咲夜は、ホッとしたような顔で彼の名前を呼ぼうとした



