「だからこそ、逃すわけにはいかないがな」
______キタ
“逃すわけにはいかない”
はっきりと宣戦布告され全員の心臓がドクンと大きく高鳴る
「何、言ってんのおじさん」
彼の凍てつくような瞳に身体を刺されそうな畏怖を覚えながら、咲夜はフッと笑った
なんで俺らの正体がバレたのかも良く分からないけど、だからこそ
その観察力
その目
その声
____ お前爽馬の父親だろバーーカ!!
____あぁ、叫びたい!!!
直感で、目の前の男が爽馬を、結斗を、景を、笠上美音を、恐怖に突き落とした本人だと分かった
妖術結社の“幹部”か_______
臆するまでもなく
回避するまでもなく
今すぐに目の前で再起不能になるまで叩きのめしてしまいたい
11人の高校生で
「先輩、どうしますか?」
こちらにしか聞こえない声で、満宵が耳打ちする
うっすらと紫のモヤが、頬を撫でた
「ごめん、危険かもしれないけど.....」
そう言いながら咲夜は顔を上げ、ここにいるみんなを見渡す
申し訳なさを含む言葉に、一年生の3人は状況に不釣り合いなほど満足そうに笑みを浮かべてこちらを見ていた
「ありがとう、みんな」
覚悟を決めて、咲夜は前を見据える
そして言った
「初めまして、オトーサン」



