立ち止まりなさいと声を掛けてきた男‘‘幹部’’
彼は咲夜がその声から想像したのとは少し違う、高身長で細身のスーツ姿の、50歳ほどと思われる上品な身なりの男性だった
目があっただけで全てを見透かされてしまうような気がして、咲夜はゴクリと眉唾を飲む
____なんだこの男、超聡明そうでカッケェおじさんじゃん.....
この男がもしも職場にいたら、OLたちの熱い視線を集めること間違いなしだ
思わず武者震いを覚えながらも、まるで心当たりがないかのように咲夜は戸惑った表情で彼を見た
「なんですか?俺らなんかしました?」
咲夜の質問に対し、男は口の端だけ少し釣り上げてフッと笑う
____こ・ええぇー!!
目が笑っていないのが恐ろしく、この際結斗でも許すので実体の二年生が誰か隣にいてほしいと強く願った瞬間だった
きっと一年生も、顔には出さないが内心冷や汗が止まらないことだろう
こちら側の誰も口を開けないうちに、男が言う
「彼らを見てみろ」
____彼ら?
これが、スーツの男2人に向けられた言葉だと気がつくのに少し時間を要した
____ああ、彼らって、俺たちのことか
言葉を向けられた本人達も例外ではなく、間を空けて「こ、この少年たちをですか?」と困惑気味に聞き返す
「そうだ。彼らには考え動く力がある。お前らとは違ってな」
考え、動く力____
って褒め言葉かよ!!俺ら葦かよ!!
咲夜が思わず褒められたことに驚きの声を上げてしまいそうになったところで、“幹部”はため息をついた



