「こっちか?」
目の前の曲がり角の向こうから、若そうなスーツ姿の男が急ぎ足でやってきて咲夜たちに目を止める
「おい、いたのか?」
30代半ばほどと思われる別の男も追うようにやってきて、彼もまた、咲夜たちを一瞬凝視した
___全員見たことない顔だ___
___でも、分からない___
心情はそんなところだろう、男2人は目を合わせ微妙な表情を作る
こちら側にも緊張が走るが、全員がそれを表に出さないよう努めた
このスーツたち、こっち見て何だ?と少しだけ不思議そうな表情を作って_____
すると後ろから満宵がピョコンと飛び出す
そしてケータイを弄りながら咲夜の腕を掴み言った
「そろそろうちの町内の山車が通る時間だよっ、早く行こ」
「ああ?そうだな」
とっさに咲夜も自然な流れで応答し、弥隼も流れに任せて歩き出す
男2人が「地元の奴らか?」と目を合わせるのを横目で確認しながら、咲夜の心臓はドクドクと音が聞こえそうなほど鳴っていた
やり過ごせる
このままここを去るから、声を掛けてくれるなよ
そう願いながらアスファルトを一歩一歩踏みしめる
不安になり、リュックをぎゅっと抱えなおした
しかし
「まったく君たち2人、無能にも程がある。彼らこそ、逃してはならんだろう?」
逃げれると思うなと、考えが甘いとあざ笑うかのように背後から声がして、全員は背筋を凍らせた
「え?す、すみません幹部!そこの子供達、立ち止まりなさい!」
______幹部?
______誰かは知らないがマズイ、恐らくカンブ野郎には完全にバレている
「聞こえていないわけではないのだろう?君たち、立ち止まりなさい」
‘‘幹部”と言われた男にそう声を掛けられ咲夜が振り向くと、まず先に困惑した一年生と目が合い
彼らも仕方なさそうに後ろを振り返った



