「爽馬と景.....」
結斗の自分への酷い扱いにいちいち突っかからなくなるという大きな成長を見せながら咲夜は顎に手を当てると、思案顔でウーンと唸った
「ねぇ、今ミヨちゃんと千加と弥隼はどこにいんの?」
市河の問いかけに
「一応学校に近からず遠からずな場所で待機してもらってる」
と、教室内に綺麗に並んだ机に座った咲夜が答える
そして自分の言葉の後の静寂を紛らわすかのように
「全員が敵に顔晒して駒潰すのはよくないと思って」
と続けた
それを聞いて景が躊躇いがちに手を挙げる
「はい、あの.....考えがあります」
「景ちゃん?」
結斗、爽馬、咲夜、市河の注目を集めた彼女はなぜか恥ずかしそうに
「でも.....ちょっと咲夜には申し訳ないかも」
と口元に手を当てて、目を丸めている咲夜をチラリと見た
「___?全然大丈夫だよ景ちゃん」
「.....はい俺なら全然大丈夫でーす」
もう吹っ切れたかのように頷く咲夜を、景はなんともいえないような表情でジッと見つめる
しかし数秒後には覚悟を決めたような表情で頷くと、咲夜の手を取って勇ましく言った
「行こう」
と______