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25分ほど前のこと
校舎内4階にて
何者かがいる気配がする、という景の発言で霧姿になった結斗が教室を偵察し見つけたもの
それは
「え?咲夜なんだけど」
咲夜だった
教室内から結斗の声と、「結斗!?」と驚いたような咲夜の声を聞いた景は、爽馬と市河と目を合わせ
「なーーんだ!」
と安心して笑う
「いつの間に咲夜いたんだよ」
市河も胸をなでおろし
「え、景といっちーもいんの?」
という素っ頓狂な咲夜の声を聞きながら、3人は教室に足を踏み入れた
「うん、最初敵かと思って警戒しちゃった」
「俺も俺も。よかったーお前らかぁ.....はーマジでびびったー.....ぁぁああぁあああぁああ!??」
発見者結斗の横、教室の隅にしゃがんでいた咲夜
初めは安堵の表情の景を、同じ表情で教室に迎え入れる
しかし後ろからごく自然に入ってきた人物に気がつくと、愕然とした表情で驚愕の声を出し、幽霊でも見たかのように人差し指を向けた
「爽馬みたいな人がいるんですけど!?」
咲夜の反応に爽馬以外の一同は動きを止めると、2秒ほどの静寂が教室を包む
「.....こちら爽馬のそっくりさんではなく、御本人です」
スッと手を差し出し爽馬を紹介する景を見て、咲夜の顔はさらに蒼白になる
しばらくそんな様子を不思議そうに腕を組んで見ていた市河が
「だってライがメッセージ送っただろ?爽馬を発見したからこの学校に来いって」
と尋ねると、咲夜は「いやいやいやいや」と全力で首を振った
「丁寧に位置情報付きで、誰にも見つからずに学校に来いとは言われたけど爽馬がいるなんて一言もあの凶悪魔法使いは言わなかったから!なぜか妖術結社がいるとしか教えてくれなかったから!」
「一言も」を強調し、爽馬に驚いているというよりはライのいい加減な対応に驚いている口ぶりの咲夜
それを聞いた一同は
「あーあいつはダメだ」(市河)
「そういう人だったね」(結斗)
「これは確信犯だ」(景)
と各々納得する
状況を理解した爽馬は自分を見つめている咲夜の元へと歩み寄り、しゃがみこんで目線を合わせると
「咲夜」
と澄んだ声でその名を呼んだ
「びっくりさせたね」
白い手が、以前の寮の仲間であり、級友であり、親友であった人へと差し出される
「戻ってきた。わがままだって分かってる。けどもう一回、僕を受け入れて欲しい」
爽馬が言い終わるより早く
それまでは口をぽっかりと開けて瞬き1つしなかった咲夜の腕が彼の背中へと伸びた
「爽馬.....!爽馬.....!!当たり前だろ!何言ってんだよ!!」



