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ライと爽馬がテレポートで飛んだ先
市河神社からそう遠く離れていない、閑静な住宅街
辺りはシンと静かで、遠くから聞こえる祭りの音が嫌にはっきりとしている
人々の談笑
祭囃子の音
蝉の声
ライは少しの衝撃とともに地上に降り立った後、膝に力が入らずぺたりと地面に手をついた
そしてそのまま、体が凍りついた
______嘘だ
頭は何も考えられなくなり、ゼンマイの止まった機械人形のように動きを止める
絶望と恐怖で体が震え出しそうになったその瞬間
肩に
爽馬の手が置かれた
「景は大丈夫」
そう言って
こいつ、頭がおかしくなったのか?
そう思ったのもつかの間
ライは爽馬を振り返り、その誠実な表情に息を飲む
「大丈夫.....って、なんで」
「全部、考えてた策だから」
彼のその言葉を聞いた瞬間
全身の力が抜けた
「じゃあ.....生きて.....」
どうやって転落したあの状況から死を回避したのかは分からない
けれど爽馬の言葉はきっと真実で、優しく心に溶けていった
「生きてる。絶対」



