なんとも言えないこの空気

新入生5人は、まだ友達同士というわけでもないはずで

お互いを観察し合うように見ては、どうしたものかと困ったような顔をしていた


そんな彼らを若干面白そうに見ながら、結斗が言う


「しかしまぁ、君たち、なんていうか凄くキャラクターが濃いよね」


1人は日本人ではない顔をしているし

2人は似たような顔をしている
双子なのだろう

もう1人はまるで女の子のように可愛らしい男の子だし

もう1人はこの寮にはかつてない好青年だ


結斗は初々しいその姿に、肩をすくめて笑いかけた


「俺は魔術科の2年で、この寮の生徒の伊吹結斗です。よろしくね」


結斗につづいて、咲夜もニカッと笑って自己紹介をする


「俺は妖術科2年、布川咲夜。よろしく!」

「俺も妖術科2年の市河日向」

「魔術科2年、火野ライ」


市河、ライも名前を名乗り、新入生たちは軽く頭を下げた


「まぁ君たちにもあとで、自己紹介してもらうとして。疲れてるだろうからそれぞれの部屋に案内してあげたいところなんだけど」


「景がいないことには、どうもできないんだよなー」


「あいついつ戻って来るんだ」